SPE日本支部長  挨拶

プラスチックの資源循環と持続的な発展を目指し

現在も続くコロナウイルスの影響は、プラスチック材料や加工メーカーのみならず様々なユーザーにも大きな影響を与えている。しかし、欧州では経済停滞を危惧し、Withコロナの日常へ移行している。また、我が国も行動制限から脱却
して、個人個人の自己判断での行動制限に移行した。海外からの技術者のみならず観光客の受け入れを始めている。我々も海外出張が活発化され、我々もWithコロナの世界へと社会活動がスタートしている。さて、これらの制限緩和が進む中、プラスチック成形加工業も見直され、海外生産からの国内回帰も議論されている。また、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、全世界での原料不足や経済活動の停滞も影響しており、先行きは不透明であり、日本国内での生産力向上が重要な課題になるであろう。

近年のプラスチックに対する様々な施策の一つであるプラスチック資源循環促進法が、2022年4月1日に施行された。資源循環やCircular Economy(循環型経済)は、廃棄物から資源など取り出してリサイクルを行うこと、また、廃棄物を出さず資源を再利用する経済の在り方である。プラスチック資源循環促進法は、製品の設計から廃棄物の処理まで、プラスチックの資源の循環等の取組を促進するための法律である。資源循環を考慮、意識した今後のプラスチックのものづくりが必要不可欠であることが自明であり、プラスチックの使用削減・再利用・合理化(リサイクル)すること、さらに再生可能性の観点から再生素材や再生可能資源(バイオマスプラスチック等)に適切に切り替えることが求まられている。

プラスチック産業においては、暗黙知だったノウハウを形式知に変えていくことが必要であり、これまでの技術ノウハウをデータベース化、AI技術やコンピュータシミュレーションなどを利用した効率的なものづくりへの変革が不可欠である。ロボット活用、情報の共有化、情報処理による在庫管理や作業のリードタイム短縮化、効率化なによる、プラスチック産業の「スマートものづくり」を期待している。

我々の生活を便利に豊かにしてきたプラスチックは、今後の生活においても必要不可欠であることは間違いないものである。持続的に発展するためには、次世代の技術者、研究者に、プラスチックの重要性を伝え、課題となる環境問題、リサイクル技術、新たな再生可能資源プラスチック、その「ものづくり」技術などを伝えていきたい。

SPE日本支部は今後も、時代に沿った研究·技術の講演会、見学会を通じて、プラスチック分野の最新·最先端技術や基礎研究の話題を提供し、強固な会員ネットワークのもと相互研鑽と会員のブレークスルー実現に向けて着実に活動していく予定である。今後とも、強固な会員ネットワークのもと、相互研鑽と会員のブレークスルー実現に向けて、着実に活動していく所存である。本分野に携わる多くの技術者のSPE日本支部への参画をお待ちしている。

Author: spejapan